あなたはどちら派?秋のヒマラヤと春のヒマラヤ徹底解説!

ゴラパニ

「秋」と「春」どちらが良いかは人それぞれ。
どちらが良いか決めるのは難しい問題ですが、試に秋と春の違いを考えてみると・・・

①好天の確率は?

秋でも山のことですから日が高くなるにつれ雲がわき始め午後には峰々は雲に覆われてしまいます。
これは春も同じ。でも春は若干雲がわき始める時間が早くなる感じがします。
でも、それほど変わらない印象です。

11月9日の12時頃に撮影
11月9日の12時頃に撮影
3月26日の12時頃に撮影
3月26日の12時頃に撮影

②ヒマラヤがくっきりと見えるのは?

ヒマラヤがはっきりと見えるのは、やはり寒さが厳しい時期です。
空気中の水蒸気が少ない時期。それは12月後半~2月初旬にかけてでしょうか。
つまりは厳冬期。
この時期のシャンボチェの平均最低気温は-10度程度。
もっと高いカラパタールやゴーキョはさらに低くなります。
身体的にはちょっと厳しい時期です。

今話題にしている「秋か春か」とは違う季節となりますのでちょっと置いておいて話しを元に戻すと・・・
雨期の6月に向かっていく春の時期は空気中の水蒸気が増えてくるので日が進むにつれて気持ち「靄」がかかった感じになります。
そういう意味でヒマラヤを望むためには、空気が澄んでいる秋の方が良い(?)。

③身体が楽なのは?

②でも気温の事に触れましたが「秋」は冬に向かっていく季節なので日がたつほど気温は低くなり、乾燥も強くなります。
逆に「春」は日が進むほど暖かくなり、湿度も上がっていく季節です。
これを考えると春の方が身体には優しい時期です。
高山病も寒いほどなりやすい傾向がありますので、体調を崩しにくいのは、やはり春の時期です。
だったら身体が楽な春の方が良い(?)

④日本人の観光客が多いのは?

日本人の旅行者がネパールを訪れる時期は、印象としては10月下旬~11月にかけての時期が多いような気がします。
また、皆さんも、秋が多いと考えておられるのではないでしょうか?
はたして、その実態は・・・
2012年の統計によると秋(9月~11月)が8千人強で、春(3月~5月)が7千人強で思っているほど差はありません。
では11月の1ヶ月では? これが3千8百人程度で3月の3千6百とあまり違いはありません。

これでは、日本人がどちらか一方を特に好んでいるとは言えないようです。
ちなみに冬(11月~2月)は、9千人弱で、夏(6月~8月)が4千3百程度です。
冬の時期が僅差ですが一番多かったようです。

⑤では、他の国の観光客が多いのは?

まずは、アメリカを見てみると、秋が1.6万人、春が1.3万人。
イギリスは、秋が1.5万人。春が1.2万人。
フランス、イタリア、ドイツなど欧米では、同じく秋に訪れる人が多いようです。
ではアジアの人達は・・・

秋(9月~11月) 春(3月~5月)
中国 20,785人 15,283人
韓国 6,024人 5,288人
タイ 9,733人 7,294人
シンガポール 1,742人 1,399人
世界合計 235,935人(53%) 209,264人(47%)

各国の休日(中国の国慶節など)の事情もあると思いますので一概には言えませんが中国以外は秋・春で大きな差はないけれども、やや秋が多いようです。
世界の合計で見ても秋が過半数を超えやや優勢です。
ネパールを訪れる世界の人々は「秋」がネパールのシーズンと思っているということ(?)。

秋のホテル・エベレスト・ビュー
秋のホテル・エベレスト・ビューは
トレッキング客で賑わいます。
3月のプーンヒルもトレッキング客で賑わっています。
3月のプーンヒルもトレッキング客で賑わっています。

⑥ヒマラヤ以外の楽しみは?

ヒマラヤを訪れる時期によっては峰々以外にも楽しめる風景があります。
例えば夏は、高山植物を楽しむことができます。
雨期の時期ですっきりしたヒマラヤを望むことは難しくなりますが、トレッキング途中の田畑は緑に満ち足元には様々な高山植物が咲いています。
そしてこの時期の高山植物の代表は、なんと言っても「ブルーポピー」です。
また。雲の切れ間から顔を覗かせたヒマラヤは感動的であり、神秘的でもあります。
当社企画のツアーもありますので是非ご検討下さい(ちょっと宣伝でした)。

さて、「秋か春か」ですが、最大の違いはネパールの国花である「石楠花(ラリグラス)」が咲いているか・いないかです。
ネパールではサクラが秋に咲きますのでごく一部ではサクラを見ることができるかもしれません。
でもその数の違いは比較にならないほど石楠花が多くなります。
そしてその石楠花が満開になるのは春です。
真っ赤に斜面を覆う石楠花は、それだけでも充分美しい風景ですが、背景に真っ白なヒマラヤがあればそのコントラストが一層引き立ちます。
日本では見ることのできない背丈を越える満開の石楠花のトンネルをくぐることができるのもこの季節ならではのこと。
石楠花はアンナプルナ地域だけのものではありません。
他のトレッキング地域でも多く見ることができます。
地域・標高によっても違いますが、標高の比較的低いアンナプルナ地域は3月下旬~4月にかけて、標高の高いエベレスト街道では4月下旬~5月にかけての時期が満開の石楠花の見頃です。
特にゴラパニ周辺では山の斜面一面に咲いた石楠花のバックにはダウラギリ峰が聳えます。
その風景は思わず息をのむほどです。

tora_03_05


では、結論は・・・

強いて個人として好みを言うならば「春」でしょうか。
なぜなら初めて添乗で行った地域がアンナプルナだったから・・・
ヒマラヤを背景にした石楠花が自分のネパール・トレッキングの原風景になっているから・・・でしょうか。

秋が良いか? 春が良いか?
どちらか良いかと言われても困ってしまう問題です。
季節・時期によってさまざまな姿を見せるヒマラヤ。
夏を含めてどの時期にもそれぞれの魅力があります。
同じ時期に訪れてもその時々で違った顔を見せてくれるヒマラヤ。
それは何回も添乗で行っている私たちにも新しい発見や驚き・感動を与えてくれます。
秋に行かれたことがある方は春に。
春に行かれた方には秋に。
どちらの季節にも行かれたことがある方には夏のネパールを訪れてその違いを体感してみてください。
それが一番!!

その後で・・・

さて、あなたはどちら派? 「秋のヒマラヤ」 それとも 「春のヒマラヤ」??

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